【2月9日 AFP】ハイテク製品の製造などに不可欠なレアアース(希土類)への影響力を高めようと中国が戦略的備蓄を始めたと7日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)が報じた。

 WSJによると、北部内モンゴル自治区(Inner Mongolia)に、中国の前年の年間輸出量3万9813トンを超えるレアアースを貯蔵できる施設がこの数か月で建造された。しかし戦略的備蓄の詳細は非公開にされているという。

 中国は世界供給量の95%を生産するレアアース市場に強い影響力を持っている。また、米地質調査所(US Geological SurveyUSGS)によると、中国のレアアース埋蔵量は世界の36%に上る。

■相次ぐレアアース規制

 中国は前月、レアアース鉱山11か所を政府の管理下に置いた。この影響でレアアースの価格が上昇する可能性があると専門家はみている。

 また前年12月には、2011年上半期の海外輸出量を35%削減し、輸出関税も引き上げることを決定した。

 さらに現地紙Huaxia Timesによると、レアアースの抽出や加工に携わる中国企業トップ90社が参加する協会が設立され、5月から活動を開始する予定だという。(c)AFP