【2月4日 AFP】中国初のステルス戦闘機「殲20(J20)」のメーカーが、米カリフォルニア(California)州の小さな企業と共同で、「ミッション・インポッシブル」をもくろんでいるようだ。

そのミッションとは、米国防省との契約だ。米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)は4日、関係筋の話として、「殲20」を製造する中国航空工業集団(China Aviation Industry CorporationAVIC)が現在、US Aerospace社と共同事業の立ち上げで協議中だと報じた。


WSJ紙によると、AVICとUS Aerospaceは、老朽化した大統領専用ヘリ「マリーンワン(Marine One)」の次世代機に、中国産ヘリコプターの中で最大規模の「AC313」を提案する計画を検討している。また、米軍需大手ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)に代わり、米空軍の練習機に「L15(猪鷹)」の提供を検討中という。

ただ、過去に中国企業が米国の戦略分野に進出しようと試みた例では、いずれも激しい政治的反発の末に阻止されている。共同事業が事実なら、中国に対する警戒感が高まっている今、米国内で反発を招くのは必至だ。

AVICの「殲20」は1月、ロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官が訪中したタイミングで初めて試験飛行し、中国の軍事力の増強を見せつけた。将来的には米空軍の「F22ラプター(Raptor)」のライバルになるとも見られている。1999年のコソボ紛争の際にセルビア軍が打ち落とした米軍ステルス機の技術を転用したとの報道もあったが、中国側はこれを否定している。(c)AFP