【12月2日 AFP】さまざまな問題を抱えて経営再建中のインド国営航空エア・インディア(Air India)が、深刻な客室乗務員不足を補うため、「太りすぎ」だとして解雇した元乗務員に再雇用を誘いかけている。

 同社広報によると、1年以上前に同社が解雇した9~10人にすでに声を掛けた。乗務員の厳しい体重規定を満たしていないとして同社から解雇された女性たちだ。3人ほどが応じる意思を見せたという。ただし身長と年齢から算出される体重制限の緩和はしないとしており、解雇前よりも努力が求められるかもしれない。

「太りすぎ」で解雇された後、元乗務員らはエア・インディアを提訴したが、裁判所は雇用契約にある条項からエア・インディア側の主張を支持し、元乗務員らは敗訴した。

 エア・インディアでは客室乗務員の不足やまん延する常習的欠勤、さらにはニューデリー(New Delhi)の新空港ターミナルへの適応不足などから度々フライトに深刻な遅延が生じ、乗客から抗議も受けた。

 1日の現地紙ヒンドゥスタン・タイムズ(Hindustan Times)によると、赤字経営のエア・インディア・グループは政府による追加救済を求めているが、今後数か月以内に現金が底をつき、3月以降は給与の支払いもできなくなるとみられている。(c)AFP

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