【12月1日 AFP】去年のクリスマスに「タブレットが欲しい?」と聞かれたら誰もが、飲み過ぎ食べ過ぎの胃もたれを治す錠剤でもくれるのかなと思ったことだろう。しかし今年のクリスマス・シーズン、世界中の人びとの目は「タブレットPC」に釘付けとなることだろう。

 韓国・サムスン電子(Samsung Electronics)は、多機能情報端末「ギャラクシー・タブ」(Galaxy Tab)の販売台数は、発売後1か月半で70万台を超えたと発表し、年内に100万台の大台に乗るとの見通しを示した。

 しかし、韓国のタブレットPC市場では30日に発売開始されたばかりの米アップル(Apple)のiPadは、世界市場で「ギャラクシー・タブ」の数歩先を行っている。4月の発売以来、iPadの販売台数は800万台超えたが、供給が追いついていればもっと売れていただろうと観測筋はみている。

 ソニー(Sony)や多機能携帯電話(スマートフォン)「ブラックベリー(Blackberry)」のメーカーであるリサーチ・イン・モーション(RIM)、さらに東芝(Toshiba)、ヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard)、モトローラ(Motorola)、デル(Dell)、台湾の華碩電脳(アスーステック、ASUS)、宏碁(エイサー、Acer)などハイテク産業をけん引する世界的ブランドはこぞってタブレットPCを開発し、すでに発売されたものもある。

■急成長するタブレットPC市場

 米IT関連調査会社ガートナー(Gartner)が前月発表した予測によると、世界のタブレットPC販売台数は年内に2000万台に迫り、2011年には5500万に上り、さらに2014年には2億800万台を超えるという。

 アップルのiPadの液晶ディスプレーは9.7インチ(約25センチ)であるのに対し、サムスンの「ギャラクシー・タブ」のディスプレーは7インチ(約18センチ)とかなり小さい。しかしサムスンではさらに「違うサイズのタブレットを近い将来」に発表するとしている。

 第一世代のiPadはカメラを内蔵しておらず、携帯電話としては機能しないほか、メディア再生用ソフト「Adobe Flash(アドビ・フラッシュ)」に対応していない。サムスンの「ギャラクシー・タブ」はこれらの点で大きく有利だと同社は自信を見せている。

 アップルがオンラインショップ「App Store」で独自にiPad向けアプリやゲームを提供しているのに対し、サムスンの「ギャラクシー・タブ」や他のタブレットPCの多くは米グーグル(Google)の基本ソフト(OS)「アンドロイド(Android)」を採用しており、アプリはオンラインストア、「アンドロイドマーケット(Android Market)」で提供されている。

■クリスマス・プレゼントにはなりにくい

 タブレットPC市場は今後1年間で飛躍的に成長すると専門家らは予測している。香港(Hong Kong)を拠点に市場を分析している韓国・ウリ投資証券(Woori Investment & Securities)のアナリスト、Young Park氏は、「タブレットPC市場は誕生したばかり。来年以降どう成長していくかは興味深い。もっと多くのタブレットPCが登場すれば、アップルのリードに食い込んでいくことは必至だ」と語る。

 ただし同氏は、タブレットPCの売上はクリスマスへ向けて堅調ではあるものの、著しく増えることはないとみている。「タブレットPCはクリスマス・プレゼントにはしにくい。1年とか2年とかといった通信会社との契約が必要なので、贈り物としてサプライズがないし、値段も安くない」からだという。(c)AFP/Adrian Addison