【10月2日 AFP】輸出は堅調、失業率は低下と経済は好調に見える韓国が国民の生活に関わる問題に直面している。「キムチ」危機だ。

 今夏の異常気象でキムチの材料である白菜が不作となり価格が高騰。韓国紙・中央日報(JoongAng Daily)によると、8月25日時点では2.5キロ当たり2480ウォン(約180円)だった白菜が、約1か月後の9月29日には1万1150ウォン(約845円)に値上がりしている。

 これにより企業の社員食堂が付け合わせで出すキムチの量を減らしたり、飲食店がキムチのおかわりを有料にするといった影響が出ているほか、自宅でキムチを漬けるのをあきらめた家庭もある。

 聯合(Yonhap)ニュースによると、大統領官邸でさえ、李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領の食事に出されるキムチの材料を白菜からキャベツに切り替えた。

 韓国農業協同組合中央会(National Agricultural Cooperative FederationNACF)によると、白菜の栽培には安定した冷涼気候が必要で、大半は山岳地方で育てられる。しかし、今年の夏は雨と猛暑が交互に訪れ、白菜をだめにしてしまったという。

 農林水産食品省は1日、キムチの価格高騰を抑制するために当分の間、キャベツや大根といったキムチに使われる野菜の関税を廃止すると発表した。(c)AFP