【9月14日 AFP】アイルランドの格安航空会社ライアンエア(Ryanair)のマイケル・オレアリー(Michael O'Leary)最高経営責任者(CEO)が、新たな経費削減策として副操縦士を廃止してパイロット1人で運航する案を検討していることを知った同航空の機長が、対案を14日付けの英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)に寄稿した。

 オレアリー氏は、これまでにも機内トイレの有料化や太った搭乗客から追加料金を徴収する「肥満税」方式の料金体系など、ユニークな経費削減アイデアを打ち出し、話題になってきた。

 だが、副操縦士廃止は明らかに行き過ぎだと考えた同航空のベテランパイロット、モーガン・フィッシャー(Morgan Fischer)機長(41)はフィナンシャル・タイムズへの投稿で、ライアンエア利用客に格安で航空券を提供するための経費削減の必要性は理解しているとして、年収1万3200ユーロ(約142万円)の見習い客室乗務員に最高経営責任者のポストを務めさせるという対案を示した。

 フィッシャー機長の試算では、CEOの給与や各種手当て、ストックオプションなど年間数百万ユーロの支出を削減できるという。

 これに対しオレアリー氏は同社広報を通じてフィナンシャル・タイムズ紙にコメントを寄せ、客室乗務員を訓練して副操縦士に仕立てることが可能だとすれば、彼らをCEOに仕立てることもできないはずはないと、いつものおどけた調子で説明し、「客室乗務員ならば、自分よりはるかに魅力的なCEOになるだろう」と認め、フィッシャー機長の提案を「真剣に検討する」と応じた。(c)AFP

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