【7月22日 AFP】英国で開催中のファンボロー国際航空ショー(Farnborough International Airshow)で、小型ジェット機の受注競争が激しさを増している。ブラジルやロシアのメーカーが21日、相次いで大量受注を取り付けるなか、国産初の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(Mitsubishi Regional JetMRJ)」は苦戦を強いられている模様だ。

 航空機市場では近年、アジアを中心とした新興国のめざましい経済発展や欧米での経済回復基調を背景に、短距離路線向け航空機の需要が急増している。ファンボローでも、MRJのほかロシア・スホイ(Sukhoi)の「スーパージェット100(Superjet 100)」、ブラジル・エンブラエル(Embraer)の、カナダ・ボンバルディア(Bombardier)の「Cシリーズ(CSerie)」などがしのぎを削っている。

 スホイは21日、航空機リース会社パール・エアクラフト(Pearl Aircraft)から「スーパージェット100」30機と追加購入オプション15機の受注を取り付けたと発表。また、インドネシア国内航空のカルティカ航空(Kartika Airlines)とも同型機30機の仮契約を結んだことを明らかにした。

 これまでに大きな成果を手にしたのはエンブラエルで、20日までに英格安航空フライビー(Flybe)と米リパブリック航空(Republic Airlines)から小型ジェット機「E175」「E190」を最大140機、総額約50億ドル(約4300億円)相当を受注したと発表した。

 対照的なのが三菱航空機(Mitsubishi Aircraft)で、MRJはいまだに1機も新規受注できていない。三菱航空機の営業担当者は「積極的に売り込み努力はしているが、今のところ成果はない。航空ショーの期間はまだあるので、受注までこぎつけたい」と語った。

 ボンバルディアの成果も低調で、現在、カタール航空(Qatar Airways)とCシリーズの受注を交渉している段階だ。

 今後は中国メーカーの参入も予想されることから、小型ジェット機市場における受注合戦は一層、過熱しそうだ。(c)AFP/Ben Perry