【7月5日 AFP】ギネスビールやウイスキー「ジョニーウォーカー」などのブランドで知られる英酒類大手ディアジオ(Diageo)がこのほど、企業年金の積立金に生じた約8億6200万ポンド(約1150億円)の不足額をウイスキーで穴埋めするという奇策に出た。

 ディアジオが1日発表したところによると、年金基金の運用委託先と合意した計画ではまず、ディアジオ側が1億9700万ポンド(約260億円)を新たに積み立てる。さらに、新設する年金基金パートナーシップ(PFP)が、ディアジオが熟成中のウイスキー約200万~250万バレル分を資産として保有、15年にわたって運用する。

 ディアジオは、この計画で年間2500万ポンド(約30億円)の収益を年金基金に積み立てられるとしている。

 15年の運用期間が満了後、PFPの保有するウイスキーは、ディアジオがその時点での積立不足分と同じ価格で買い戻す。この価格は約4億3000万ポンド(約570億円)以下となる見込みという。

 ディアジオはウイスキー世界最大手で、スコットランド(Scotland)各地に蒸留所を所有するほか、ベイリーズ、スミノフなど多くの有名ブランドを有する。今回、運用に回すウイスキーは同社の全保有量の約30%に相当するという。(c)AFP

(この記事は、Dow Jones Newswiresの協力記事です。)