【6月10日 AFP】中国のホンダ(Honda Motor)の系列部品工場で9日、3件目となる賃上げを求めるストライキが発生した。一方、国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)は同日、江蘇(Jiangsu)省の台湾系機械部品工場で7日に待遇改善を求める従業員と警察部隊とが衝突し、50人が負傷していたと報じた。

 国営新華社(Xinhua)通信によると、今回ストに突入したホンダの系列工場は、広東(Guangdong)省中山(Zhongshan)にあるドアロックと車の鍵を製造する工場。8日から従業員100人がストに入ったという。

 ホンダは前週、最初にストを実施した工場で24%の賃上げを提案したが、その後、ホンダ系部品会社のユタカ技研(Yutaka Giken)と台湾企業の合弁による排気管工場で新たなストが発生。ストは9日までに終結したが、この影響で組み立て工場2か所が操業停止に追い込まれている。ホンダ広報によると、稼動再開の見込みは立っていない。

 一方、チャイナ・デーリーによると、江蘇省の台湾系機械部品工場「KOK Machinery」で7日、待遇改善を求めてストをしていた約2000人の従業員が路上でデモ行進をしようとし、これを止めようとした警官隊と衝突、50人が負傷した。一連の労働争議が暴動に発展したのは、この工場が初。

 台湾系大手電子機器メーカー・富士康科技集団(フォックスコン、Foxconn)で相次いだ従業員の自殺に続き、続発する労働争議に、劣悪な環境で低賃金で働く中国人工場労働者の問題に注目が集まっている。(c)AFP/Susan Stumme

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