【4月14日 AFP】アラブ首長国連邦ドバイ(Dubai)の超高層ビル「ブルジュ・ハリファ(Burj Khalifa)」に次ぎ世界で2番目の高さとなるホテルタワーが、サウジアラビアはイスラム教の聖地メッカ(Mecca)にまもなくオープンする。

 その名は「メッカ・ロイヤル・クロック・タワー(Mecca Royal Clock Tower)」。高さはコンクリート部分が662メートル、さらにその上に鉄骨の尖塔155メートルが伸び、先には三日月形のシンボルを抱く。合わせた高さは828メートルで、ライバルのブルジュ・ハリファとの差はわずか11メートルだ。

 ブルジュ・ハリファのお膝元、ドバイに乗り込んで記者会見を行った同ホテルのMohammed al-Arkubi総支配人によると、ハイライトはコンクリート部分最上部に完成予定の大時計台だ。

 四方の各面は幅45メートル、高さ43メートル。設置されるのは「ビッグベン(Big Ben)」の愛称で知られる英国会議事堂の時計の6倍大にもなるドイツ製時計で、「世界最大の時計」をうたう。昼間ならば11~12キロ、夜ならば17キロ離れたところからでも見える想定だ。「グリニッジ標準時を示すのとそっくりな時計盤に、メッカの時間が表示されるところがポイントだ」と同支配人は説明する。

 7つのタワーからなるホテル複合施設のうち最初の部分は6月末にオープン、時計はイスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」の開始を8月10日に控えた7月末から動き始める。

「アブラージュ・アル・ベイト・タワーズ(Abraj al-Bayt Towers)」と名づけられたホテル群には総額30億ドル(約2800億円)が投じられた。全体でスイートルームを含む3000部屋を擁し、そのほとんどから、イスラム教徒が毎日礼拝する際にその方角を向くメッカの聖モスク(Haram Grand Mosque)を臨むことができる。建設はサウジアラビア政府の委託を受け、同国の建設業財閥ビン・ラディン・グループ(Bin Laden Group)が手がけ、フェアモント・ホテル・アンド・リゾート(Fairmont Hotels and Resorts)が運営する。その収益はイスラム教施設の建設や聖地の保全などのための信託に似た制度ワクフとして寄進される。(c)AFP