【2月21日 AFP】一時は1100万ポンド(約16億円)の価値があるとされた石、「タンザニアの宝石(Gem of Tanzania)」が、わずか8010ポンド(約113万円)で売却されていたことが明らかになった。

「タンザニアの宝石」は重さ約2.1キロの紫色の石で、一時は世界で最も高価なルビーとされ、4000万ポンド(約57億円)の負債を抱えて09年に経営破たんした英建設会社リーキン・コンストラクション(Wrekin Construction)の主要な資産とされていた。

 米コンサルティング大手アーンスト・アンド・ヤング(Ernst and Young)は17日、「リーキンの管財人は『タンザニアの宝石』を人材紹介グループのパーテンプス・インベストメンツ(Pertemps Investments)に売却した」と発表した。アーンストによると、前年12月の締め切りまでに60件以上の買い取りの申し出があり、パーテンプスが最高額を提示したという。

 英メディアは前年、この石は実はルビーの低級品のアニョライトのかたまりで、せいぜい物珍しい文鎮程度の価値しかないと伝えていた。報道によれば、これまでに出ていたこの石の複数の鑑定証は偽造として無効にされている。

 17日の英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)は、リーキン社の信用力を大幅に引き上げるために英国のあるビジネスマンがこの石を利用していたと伝えた。(c)AFP