【2月13日 AFP】チリの造幣局で、国名を「Chile」と表記すべきところを誤って「Chiie」と刻印された50ペソ(約8.5円)硬貨が大量に製造されたことが判明し、責任を問われた造幣局長と硬貨製造責任者の2人が今週、更迭された。

 この硬貨の存在は2009年末に明らかになった。国名のスペルミスのほか、中央銀行が過去に使用したことがないと主張する製造責任者の署名も刻まれている。2009年末にはほかにも間違いのある硬貨やメダルが見つかっている。

 中央銀行によるとこの硬貨は2008年に製造されたもので、現在流通している枚数は中央銀行も造幣局も把握していないが、報道によれば数千枚が出回っているという。

 2008年の造幣局民営化に不満を持つ職員のサボタージュによって故意に欠陥のある硬貨が製造された可能性が高いとみられている。一方、更迭された製造責任者は「これは意図的でものではなく、関係者はだれも気づかなかった」と主張している。

 誤りがあってもこの硬貨は50ペソの価値を持ち、普通の硬貨と同様に使用できるが、希望者は誤りのない硬貨と交換することもできる。だがコインと切手の専門家によると、この硬貨はコレクターにとって「2倍の金額を払ってでも手に入れたい珍しいもの」だという。(c)AFP