【11月18日 AFP】米財務省は17日、米国の債務残高が史上初めて12兆ドル(約1071兆円)を超えたことを明らかにした。債務残高は法定上限に近づいており、議会の激しい反発が予想されている。

 米財務省のデータによると、16日現在の未払い債務残高は、前週末13日の11兆9990億ドル(約1071兆円)からさらに増加し、12兆310億ドル(約1074兆円)となっている。米国の債務残高は2008年9月に10兆ドル(約890兆円)を突破している。

 債務残高急増の背景には、1年以上にわたって続く不況対策のため、米政府が巨額の国債を発行したことで財政赤字が増加したことが挙げられる。

 債務残高は法律で定められた上限の12兆1040億ドル(約1080兆円)に近づいており、政府活動の停止を避けるためにも米議会は上限を引き上げる必要がある。

 米上院のミッチ・マコネル(Mitch McConnell)共和党院内総務は、債務残高拡大は歓迎できないニュースだと述べ、今年始めに成立した総額7870億ドル(約70兆円)の景気刺激策は失業率が10%を超えることを防げなかったと指摘。「これは、政府は歳入に見合わない歳出を続けることはできないということを示す緊急の警告だ」と語った。

 その上で、「過剰な支出や過剰な借金、過剰な課税を行う数千ページに及ぶ法案は、雇用創出の手段としては全く間違っている。債務を減らし、医療保険コストを下げ、雇用を創出するため、政府は超党派の取り組みを進めてもらいたいと心から願っている」と述べた。(c)AFP