【11月12日 AFP】10日夜(日本時間11日午前)発生し、ブラジルの約半分を暗闇につつんだ大規模停電について同国のエネルギー省は11日、激しい嵐で3本の高圧送電線がショートしたことが原因だったと発表した。一方で、停電となった地域を管轄する電力会社や隣国パラグアイの国営電力会社からは、ブラジル政府の説明と矛盾する声明が発表されている。

 ブラジルのエジソン・ロバン(Edison Lobao)エネルギー相は同国の送電網管理会社などと停電の原因についての緊急協議を開催。その後の記者会見で、激しい風雨や雷で「空中放電」が発生し、パラグアイ国境付近にある同国最大のイタイプ(Itaipu)水力発電所からの送電線が障害を起こしたと語った。

 同エネルギー相によると、連鎖反応で同国の電力供給の40%がダウンしてしまったという。それにより、ブラジル人口1億9000万人の3分の1以上にあたる、7000万人が停電の影響を受けた。エネルギー相の側近は、一部の地域では数分以内に回復したところもあったが、数時間続いた場所もあり、ブラジルの南半分では停電は平均3時間続いたとしている。

 一方、会見に先立って発表された、停電地域を管轄するブラジルのフルナス(Furnas)電力公団の声明では、イタイプ発電所からの送電線には損傷はなかったとされており、エネルギー省の説明と矛盾が生じている。

 また、パラグアイの国営電力企業も天候原因説には懐疑的な見方を示しているが、3本の送電線が停電に関係していることは認めている。パラグアイでも各地で30分程度の停電が発生した。(c)AFP