【11月1日 AFP】アイスランドからの撤退を発表していた米ファストフード大手マクドナルド(McDonald's)は31日、同国での最終営業日を迎えた。

 首都レイキャビク(Reykjavik)の3店舗には最後のマクドナルドのハンバーガーを食べようと大勢の人が集まり、商品を受け取るまで20分かかり、ドライブスルーで交通渋滞が起きるほどの混雑となった。各店舗は臨時スタッフを雇って対応した。あるスタッフは「私は6年間ここで働いてきましたが、最後の数日ほど忙しかったことはありません」と語った。

 アイスランドで16年間前からマクドナルドのハンバーガーチェーンを運営してきたLystは26日、前年に発生した経済危機の影響で経営コストが高騰したため全店舗を閉鎖すると発表していた。

 市場規模が小さいアイスランド国内で材料を生産するとコストが高くなることから、パッケージや肉、野菜、チーズなどすべての食材と資材をドイツから輸入していたが、通貨クローナの暴落で輸入コストが大幅に上昇し、事業継続が難しくなったという。

 アイスランドは西側諸国のなかでマクドナルドが1店舗もない珍しい国になった。Lystはアイスランド産の食材を用いたハンバーガーを提供するファストフードレストランを新たにオープンさせる考えだ。(c)AFP