【10月15日 AFP】ベネズエラのウゴ・チャベス(Hugo Chavez)大統領は14日、同国のマルガリータ島(Margarita island)にあるヒルトン・マルガリータ・スイーツ・ホテル(Margarita Hilton & Suites Hotel)を接収したことを明らかにした。

 接収の理由は、前月26-27日に開催された南米・アフリカ首脳会議(サミット、Africa-South America SummitASA)の会場として同ホテルを使った際に、ホテルのオーナーがベネズエラ政府に対し条件を付けてきたからだという。

「首脳会議開催にあたり、われわれは許可を求めなければならなかった。そのうえ、オーナーどもは革命政権に条件を付けたんだ。まったくなんたることだ」「だから『接収してやろう』と言ってやった。それでその通り接収した」

 ベネズエラ政府はすでに同ホテルの大株主だが、今回、大統領令で「Inversiones Pueblamar y Desarrollos MBKが所有する、ホテル全施設およびマリーナの不動産や設備、関連資産などの強制接収」が命じられた。

 ホテルは、一般客室280室とスイートルーム210室、カジノ、ショップ、レストラン、会議スペースなどを備えた大規模なもので、「ヌエバエスパルタ州における観光・ホテル業界の社会的発展」を目的に、国有化の対象になっていた。今後は国営旅行会社Veneturの所有になる。

 ペドロ・モレホン(Pedro Morejon)観光相は地元テレビに対し、同ホテルを「社会主義化」し、観光トレーニングセンターなどの施設に活用すると語った。従業員については解雇はしないとしている。(c)AFP