【9月21日 AFP】ロシアの富豪がモスクワ(Moscow)で計画していた欧州一高い「ロシアタワー(Russia Tower)」の建設が経済危機で頓挫し、駐車場にする予定になっていることが分かった。ウラジーミル・レシン(Vladimir Resin)モスクワ副市長が17日、「モスクワのこだま(Echo of Moscow)」ラジオのインタビューで明らかにした。

 時期をみて工事を再開しなんらかの建築物を建てる予定だが、当初の計画より小規模なものになるという。

 開発業者を傘下に持つロシア富豪のシャルバ・チギリンスキー(Shalva Chigirinsky)氏による「ロシア・タワー」建設計画は、原油高によりロシア経済が活況に沸いていた2007年9月に着工。設計は著名な英建築家ノーマン・フォスター(Norman Foster)氏が担当した。

 チギリンスキー氏が所有する不動産デベロッパー、ロシアン・ランド(Russian Land)によれば、完成すれば高さ612メートル、欧州で第1位、世界でも第2位の高さを誇るタワーになるはずだった。だが、世界を襲った金融危機でロシアの建設業界も打撃を受け、チギリンスキー氏も巨額の負債を抱えた。このため同氏は前年11月、「ロシア・タワー」プロジェクトを含む一連の建設事業の凍結を発表していた。(c)AFP