【8月13日 AFP】ベトナムの国境横断鉄道路線の建設に日本の新幹線技術が採用される見通しであることを、国営ベトナム鉄道(Vietnam Railways)のグエン・フー・バン(Nguyen Huu Bang)会長兼最高経営責任者(CEO)が13日、日本経済新聞(Nikkei)に語った。

 バン社長は日経新聞に対し、ベトナム政府がすでに新幹線方式の採用について基本部分で承認しており、財政面の解決と首相の正式承認を待っている段階だと述べた。

 日経新聞によると、この鉄道計画の総工費は560億ドル(約5兆4000億円)規模。資金調達面では依然として不確実な部分が多く、ベトナム政府は、日本政府からの援助や、世界銀行(World Bank)やアジア開発銀行(Asian Development BankADB)からの資金調達を目指している。

 高速鉄道路線は全長1560キロメートルを計画している。植民地時代につくられた既存の鉄道路線に代え、首都ハノイ(Hanoi)と南部の主要商業都市ホーチミン(Ho Chi Minh)を結ぶものになる。現在は、ハノイ・ホーチミン間は3日間もかかるという。

 ベトナム政府は2020年までに高速鉄道を開業することを目指しており、最も収益が高いとみられる沿岸都市のダナン(Danang)とフエ(Hue)を結ぶ約90キロメートルの路線を含む3区間の建設から着手する計画だという。

 日経新聞によると、日本政府と日本の鉄道会社は、国内市場が飽和状態であるため新幹線技術を海外へ輸出したい考えで、ベトナムの潜在力に対して強い期待を抱いているという。しかしながら、コスト見積もりは依然として不十分だとみられており、日本側はベトナムに対して高速鉄道の運行開始を2036年以降に延期するよう提案したとみられている。(c)AFP