【8月4日 AFP】販売不振による解雇の発表に対し、反対する従業員たちが工場などに立てこもる事態に発展している韓国の自動車メーカー、双龍自動車(Ssangyong Motor)で4日、警官隊はストライキを排除しようと放水砲を使用したり、ヘリコプターから催涙ガスを散布して、同社内の建物のひとつを占拠した。

 首都ソウルの南方70キロの平沢(Pyeongtaek、ピョンテク)にある双龍自動車で、鉄パイプやパチンコ、引火性のシンナーなどで「武装」した労働者数百人が立てこもる塗装工場と、それに隣接する建物を数千人の警官隊が包囲した。労働者たちは経営悪化を理由とする人員解雇に抗議し、5月21日から工場を占拠していた。

 目撃者によると、警官隊はヘリコプターから催涙ガスを散布し、ストライキ中の労働者たちがパチンコでナットやボルトを打ってくるすきを、はしごで奇襲できるようにフォークリフトを使ってバリケードを除去した。労働者たちは火炎瓶や燃えるタイヤなども投げつけたが、警官隊が工場横の建物の屋根に上るのを阻止できなかった。

 最後に警官隊は塗装工場の中に突入しようとしたが、労働者らから猛烈な抵抗を受け、短時間の衝突の後に撤収した。塗装工場のなかには現在も組合員500人以上が残っている。工場内には引火性の素材が大量にあり、消防隊数百人もそばで待機している。

 経営側と組合幹部による3日間の協議は2日、決裂し、同社は破たんする懸念が生じている。(c)AFP