【7月31日 AFP】世界金融危機で前年秋に米政府から公的資金を注入された米大手金融機関9社が、業績悪化にもかかわらず多額のボーナスを支給していたことが、ニューヨーク(New York)州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)司法長官の報告書で30日、明らかになった。

 2008年の金融危機発生から9か月かけて作成された報告書は、各金融機関の業績と業務内容の調査結果をまとめたもの。これによると、一部の金融機関は2008年分の役員ボーナスとして、総額で同年の収益を上回る額を支給していた。

 ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)の支給額は、08年収益の28億ドル(約2700億円)の約2倍に相当する48億ドル(約4600億円)。モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)は収益17億ドル(約1600億円)に対し、44億7500万ドル(約4300億円)を支払った。両社は各100億ドル(約9600億円)の公的資金を受け入れている。

 一方、250億ドル(約2.4兆円)の注入を受けたJPモルガン・チェース(JPMorgan Chase)は、収益56億ドル(約5300億円)に対しボーナス支給額は86億ドル(約8200億円)。それぞれ270億ドル(約2.6兆円)以上の損失を出したシティグループ(Citigroup)とメリルリンチ(Merrill Lynch)も、シティが53億3000万ドル(約5000億円)、メリルが36億ドル(約3400億円)をボーナスとして支払っていた。(c)AFP