【7月27日 AFP】英スコットランド(Scotland)西部キルマーノック(Kilmarnock)で26日、同地発祥のウイスキー「ジョニーウォーカー(Johnnie Walker)」の瓶詰め工場の閉鎖に抗議するデモが行われ、工場労働者とその家族にスコットランド首相やサッカー・スコティッシュ・プレミアリーグのキルマーノックFCの選手らも加わり、約2万人が街中を行進した。

 スコットランド行政府のアレックス・サモンド(Alex Salmond)首相は、デモは工場の操業を維持するための試みだと説明。「今日ここに集まった数万の人びとは、ジョニーウォーカーを地元に残すための、断固とした意思と決意を示すものだ」と語った。

「ジョニーウォーカー」ブランドを所有する英酒類大手ディアジオ(Diageo)は先に、経営再建・投資計画の一環として、キルマーノックの瓶詰め工場とグラスゴー(Glasgow)近郊のポートダンダス(Port Dundas)蒸留所を、2年間にわたって閉鎖すると発表。これに伴う900人の雇用削減については、スコットランド東部ファイフ(Fife)の工場で400人を増員し、相殺するとしている。

 一方、組合指導部は工場閉鎖で約700人が失業すると主張。ブランドとの強い関係性が失われることは、地元社会への壊滅的な損失だと閉鎖に強く反対している。

 ディアジオのウェブサイトによると、「ジョニーウォーカー」の起源は、1820年にジョン・ウォーカー(John Walker)氏がキルマーノックに開いた雑貨店。モルトウイスキーの調合に取り組んだウォーカー氏が生み出したブレンデッドウイスキーはその後、世界で最も有名なスコッチ・ウイスキーの銘柄に発展した。(c)AFP