【7月2日 AFP】米国最大の州であるカリフォルニア(California)州のアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)知事は1日、同州の財政危機を受け、財政非常事態を宣言した。

 同州の財政赤字は今後2年間で240億ドル(約2兆3200億円)に達することが見込まれる。同州議会は次年度予算の危機を解決する包括案について、前月30日までに合意できないまま新年度に入った。同知事は討議を継続するために特別議会を召集した。

 カリフォルニア州は現在28億ドル(約2700億円)の現金不足に陥っており、2日からは借用書を発行する状況だ。

 シュワルツェネッガー知事は宣言で、教育から貧困層支援までさまざまな公共サービスでの歳出削減を議会で決定しない限り、9月までに現金の不足高は65億ドル(約6290億円)まで膨らむと警告した。支払い不能に陥った場合、「基本的な公共サービスがまったく提供されないという深刻な事態に置かれる」と理解を求めた。

 また同知事は2010年6月まで、毎月第1、2、3金曜を州政府機関の休業日とする行政命令も発表した。これにより州職員の給与は毎月3日分、減らされる。大半の州機関に適用されるが、州立病院と刑務所、カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール(California Highway Patrol)だけは適用外とされた。

 カリフォルニア州の経済規模は国に置き換えた場合、世界8位に位置するが、1月以降これまで財政が苦境に陥っている。2月には知事と議会は最悪の事態を回避しようと増税案を提示したが、5月に州住民投票で否決された。(c)AFP