【6月7日 AFP】アフリカ開発銀行(African Development Bank)のチーフエコノミスト、Louis Kasekende氏は5日、世界的な金融危機がアフリカで紛争を引き起こし、過去10年以上の間に得た経済利益を損なう恐れがあるとの警告を発した。

 同氏は、フランスのパリ(Paris)で開かれた経済協力開発機構(Organisation for Economic Cooperation and DevelopmentOECD)のアフリカ国際経済フォーラムに参加した際に、「金融危機には政治的、社会的な意味合いもある。社会的緊張をもたらし、紛争を引き起こす可能性もある」と述べた。

 同氏がもっとも懸念しているのは、景気後退により一人あたりの所得の伸び率が人口増加率より低くなり、アフリカ諸国が再び貧困状態に陥るようになることだという。

 OECDは2009年のアフリカ全体の国内総生産(GDP)成長率を、5.7%だった2008年のおよそ半分の2.8%と予測している。国際通貨基金(International Monetary FundIMF)の予測はさらに低い2.0%となっている。(c)AFP