【5月14日 AFP】米ニューヨーク(New York)のビルの窓を入れ替えることは難しくもなく聞こえるが、地球を変えることも簡単だろうか? 

 マンハッタン(Manhattan)にそびえ立つエンパイア・ステート・ビル(Empire State Building)の目標は、地球環境のために、ビル全体を環境にやさしい「エコフレンドリー」な仕様に変更することだという。現在その一部として、すべての窓ガラス計6500枚の入れ替えを行っている。

 エンパイア・ステート・ビルのオーナーであるアンソニー・マルキン(Anthony Malkin)氏はAFPに対し、この数百万ドル規模のプロジェクトによって冷暖房と照明システムを刷新し、エネルギー消費量を38%削減すると説明した。

 ニューヨークで排出される温室効果ガスのうち、78%が商業ビルから排出されている。エンパイア・ステート・ビルをエコフレンドリーに改装することは大きな一歩だ。1931年に建てられたアールデコ様式のビルでこれが実現できれば、どんな建物でもできるだろう。

 エコフレンドリーにすることで、通常工事ならば5億ドル(約480億円)の改装費に加え、さらに2000万ドル(約19億円)が必要となる。

 プロジェクト関係者らによると、改装後の効果は2013年末までに完全に発揮される。年間440万ドル(約4億2000万円)が節約でき、エンパイア・ステート・ビルは環境にやさしいオフィスビルのトップ10に入ることになる。

 この改修は、ビル・クリントン(Bill Clinton)元米大統領が設立した「クリントン気候イニシアチブ(Clinton Climate Initiative)」が支援している。(c)AFP/Sebastian Smith