【5月8日 AFP】英小売大手マークス・アンド・スペンサー(Marks & SpencerM&S)が特大サイズのブラジャーを通常サイズよりも高い価格で販売していたことに対し、オンライン上で1万3000人が抗議の署名を寄せたため、M&Sは8日、上乗せ価格での特大ブラ販売を撤回すると表明した。

 ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)フェースブック(Facebook)で、M&Sへの抗議運動を始めたのはベッキー・ウィリアムズ(Beckie Williams)さん(26)。

 ウィリアムズさんのブラサイズはGカップだが、M&Sでは、DDカップよりも大きいサイズのブラジャーには、2ポンド(約300円)を加算して販売しているため、ウィリアムズさんは説明を求めたが、M&S側からの回答はなかった。

 これに怒ったウィリアムズさん。特大ブラへの追加料金制は「不公平で犯罪的」と非難し、M&Sの差別的販売を止めさせるべくバストサイズの大きな女性らに団結を呼び掛け、「Busts 4 Justice」を立ち上げた。

 ウィリアムズさんは、こうした不満を7月に開催されるM&Sの株主総会で訴えようと、株主総会への出席権を得るために、時価総額で3.4ポンド(約510円)分のM&S株まで購入した。

 一方、M&Sは、これまで、特大サイズのブラにはストラップ部分を幅広に仕上げ、バストのサポート力も高めるなど、製造に特別な手間がかかっていることから、料金の上乗せは公正であり、顧客もこうした手間に対し、わずかな追加料金を支払うことを納得していると主張してきた。

 しかし、ウィリアムズさんら1万3000人あまりから抗議の署名が集まったことから、M&S広報は8日、「特大ブラへの追加料金に、多くの顧客が不満を持っていると聞いた」と話し、「このやり方はまずかった」と認めた。

 さらに、全サイズのブラジャーを9日から同一料金で販売すると発表。そのうえで、「(追加料金をやめたからといって)品質を落とすことはない。引き続き、大通りで最高の商品をサポートしていく」とも強調した。(c)AFP