米LAタイムズが一面に「ニュース記事風」広告を掲載、同紙記者らが大ブーイング

【4月11日 AFP】米紙ロサンゼルス・タイムズ（Los Angeles Times）が、ニュース記事に似せた広告を紙面の一面に掲載したことに対し、同紙の記者と経営陣との間で議論が巻き起こっている。

　米NBCテレビシリーズ「サウスランド（Southland）」の広告が掲載されたのは、9日付のLAタイムズ紙の一面。「広告」と明記されていたものの、同広告は太字の見出し付きでニュース記事にそっくりだった。

　ブログサイト「メディアメモ（MediaMemo）」によると、同紙の記者ら100人以上が、紙面の一面にニュース記事に似せた広告を掲載することに反対する請願書に署名したという。

　メディアメモ（mediamemo.allthingsd.com）によると、請願書には「われわれニュース編集室のジャーナリストは、偽のニュース記事の様式をとった広告を一面に掲載するという広告販売方針に対し、強く反対する」と書かれている。

「NBCテレビの広告は臨時収入になったことだろう。しかし、同社には計り知れない損失を及ぼした。一面に偽のニュース記事を掲載することは、われわれの品位と報道基準を台無しにする行為だ」（請願書）

　LAタイムズによると、読者からの苦情は約70件にのぼるという。この広告は、ラス・スタントン（Russ Stanton）編集長の反対を押し切って掲載されていた。

　同紙発行人のエディ・ハーテンスタイン（Eddy Hartenstein）氏は、編集室の反対はあったが、新聞の存続のためには不可欠な決断だったと主張している。

「このご時世では、これまでとは異なる、斬新ともいえる広告をクライアントに提供しなければいけないんです」（ハーテンスタイン氏）

(c)AFP