【2月26日 IDO Securities】NY金の1000ドル達成の原動力であった金上場投資信託(ETF)が伸び悩んできた。世界最大の金ETFであるSPDRゴールド・トラストの25日現在の保有高は、1028.98トンで、過去最高水準に達した19日以降は横ばいで推移している。年初からの増加量は約250トンに達し、昨年1年間の増加量(約150トン)を上回っているものの、NY金の1000ドル、ETF残高の1000トンと言う節目で、一服感が出てきた。週末発表されたCFTC(米商品先物取引委員会)建玉明細では、金の大口投機家玉の買い越しも大きく膨れており、ETF積み上げに一服感が続くようなら、年金などの長期(投資)資金が決済しなくても、ファンドなどの短期(投機)資金が手仕舞いに動く可能性が高まるのではないか。その場合の下値支持は、880ドル~930ドル。この水準で実需が、どのように動くかがポイントになる。
 一方、金・原油比価を見ると、金の割高・原油の割安が続いているが、製油所の稼働率低下に伴い、製品在庫は徐々にタイトになっており、米国・中国などの景気対策、3月OPEC総会での追加減産思惑、米戦略備蓄積み増し再開、季節傾向などを考慮すると、春先に向けて金・原油比価の調整(金よりも原油の動きが強くなる)が行われるのではないか。原油に関しては50ドルを越えてくると、テクニカル的な買いを巻き込み、上げ足が強まると見る。

(投資情報部 菊川弘之)
NPO法人日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)ラジオNIKKEI(加藤ゆり(ミス東大)の経済教室)をはじめ、時事通信等でアナリストの目、テクニカル分析情報を掲載。ブルームバーグTV、日経CNBCなど多数のメディアにも出演中。商品先物関係のアナリストとして著名だが、日経平均先物オプション取引や外国為替取引の分析でも定評がある。

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