【1月30日 AFP】(写真追加)フランス全土で29日、ゼネスト「黒い木曜日(Black Thursday)」が実施され、仏全土で労働者100万人以上がデモに参加、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領の経済危機への対処の遅れに抗議し、失業への怒りや不安の声を上げた。

 交通機関への影響は予想より少なかったものの、ゼネストへの支持は幅広く、公共機関の従業員の4分の1にあたる500万人が参加。2007年5月のサルコジ大統領の就任以降、最大の抗議行動となった。

 パリ(Paris)では、市東部のバスチーユ広場(Place de la Bastille)から西部のオペラ座(Place de l'Opera)前まで、主催者発表で30万人、警察発表で6万5000人がデモ行進し、世界的に景気後退が進む中で雇用の確保を求めた。

 デモ終着点のオペラ座前では、瓶を投げる若者ら数十人と機動隊が小競り合いに発展した。デモ行進の順路から離れた若者らが、ごみ箱を燃やしたり路上の公共物を壊すなどしながら、サルコジ大統領のいる大統領府エリゼ宮(Elysee Palace)に向かおうとしたため、機動隊が警棒で殴打するなどして阻止したという。

 また、ごみ箱や横転させた車両少なくとも1台に放火、道路を封鎖しようと試みた一部のデモ隊に、機動隊が催涙弾を発射する場面もあった。これまでに数人が逮捕されたが、重傷者の報道はない。

 サルコジ氏の政策に対しては、特に公務員削減をめぐって、国民の間で怒りが高まっている。(c)AFP/Rory Mulholland