【1月13日 IDO Securities】 9日に公表された米雇用統計によると、12月の非農業部門雇用者数は前月比▲524 千人(減)。下方修正された11月の▲584 千人に続く大幅減となった。2008年の年間雇用減少数も258万人に上り、第二次世界大戦が終わり、復員兵の民間部門での雇用が追いつかなかった1945年(275 万人)に次ぐ減少数で戦後最悪となった。因みに、12月の雇用減少数(524千人)は、杉並区の人口(528 千人)とほぼ同数。年間の雇用減少数である258万人は、大阪市の人口(263 万人)に相当する。米統計値は数値が大き過ぎてイメージしにくい側面があるが、具体的な比較で見ると、改めてその規模の大きさを実感できる。
一方、米失業率は昨年12月には7.2%まで上昇。2007年前半(平均4.5%程度)からの上昇幅は2.7%に達してきた。過去FRBは失業率が1%上昇すると約2%の利下げを行う傾向があるが、失業率から推計されるFF金利の適正値はマイナス金利となってきた。FRBは12月にFF金利の誘導目標を0-0.25%に引き下げ、事実上ゼロ金利政策を始めたが、7日に米議会予算局が2009年度の米財政赤字が1.2兆ドル、名目経済規模比で8.3%と、戦後最大規模にまで拡大するとの見通しを発表した通り、米財政事情、米雇用情勢の悪化は続いており、しばらくはゼロ金利政策が続きそうだ。今後発表される経済指標で実体経済の弱さが再確認されれば、投資家のリスク回避姿勢が強まり、「株安→円高」の流れは継続する可能性。今週発表予定の経済指標では、本日の11月景気ウォッチャー調査、水曜のユーロ圏11月鉱工業生産、米12月小売売上、木曜の豪12月雇用統計、米新規失業保険申請件数、12月NYFedインデックス、12月フィラデルフィアFedインデックス、金曜の米12月鉱工業生産、1月ミシガン大消費者景況感指数・速報値などに注目。
今週木曜日にECBがレートアナウンスメントを行う。市場コンセンサスは、50bpの利下げ予想。
(投資情報部 菊川弘之)
NPO法人日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)ラジオNIKKEI(加藤ゆり(ミス東大)の経済教室)をはじめ、時事通信等でアナリストの目、テクニカル分析情報を掲載。ブルームバーグTV、日経CNBCなど多数のメディアにも出演中。商品先物関係のアナリストとして著名だが、日経平均先物オプション取引や外国為替取引の分析でも定評がある。
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