【12月16日 IDO Securities】 リーマンショック以降、リスクマネーが急速に収縮し、主要国市場では株式から債券へ資金が流れ、安全資産への逃避が進む中、ドルは主要通貨騰落率を見ると、ドルは円に次いで2番目に強い通貨となっていた。通常みられる為替とファンダメンタルズとの関連の多くが崩れ、8月中旬以降のドル高は、ドル安をもたらすはずのマクロ動向の中で進んだのは、キャリートレードを通じてファイナンス通貨として売られていた買い戻しが発生したためと考えられる。ボラティリティ急騰に伴い、新たなキャリートレードは発生しなくなった上に、円高が進むと資金調達コストが上昇することなどにより、ポジションの巻き戻しを余儀なくされ、円ショート・ポジションの巻き戻しが、他の取引に組み込まれていた円ショート・ポジションの巻き戻しを誘発し、「円安バブル」はスパイラル的に崩壊した。ただし、ここにきてのユーロ高、円高ドル安に見られるように、円もドルも強いと言う流れに変化の兆しが出始めている。ドルを取り巻く環境はネガティブの度合いを増しており、ファイナンスに伴う買戻しが終われば再び下落基調に戻る可能性は高いと考える。
本日の注目はFOMC。市場コンセンサスは50bpの利下げ。声明では、景気が極めて低調であること、長期間にわたって低調な状態が続く見通しであることを指摘するものとみられる。また、FRBがゼロ金利政策を導入するという思惑が高まれば、ドル円の下押し要因となる。この他、本日は、OPEC総会、ユーロ圏の12月PMI、英国、米国の11月CPI、米国11月住宅着工、GS決算などが予定されている。ユーロ圏のPMIが予想を上回ることとなればユーロドル上昇は加速する可能性も。OPEC減産による原油高もユーロにとっては支援材料。
(投資情報部 菊川弘之)
NPO法人日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)ラジオNIKKEI(加藤ゆり(ミス東大)の経済教室)をはじめ、時事通信等でアナリストの目、テクニカル分析情報を掲載。ブルームバーグTV、日経CNBCなど多数のメディアにも出演中。商品先物関係のアナリストとして著名だが、日経平均先物オプション取引や外国為替取引の分析でも定評がある。
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