【12月4日 AFP】スペインのある不動産デベロッパーが2日、市場の崩壊で売却困難となっているバルセロナ(Barcelona)近郊のマンション31戸を、くじ方式で売り出すと発表した。

 この開発業者「Grupo de Empresas Rob」によると、くじは3日から1枚50ユーロ(約6000円)で販売される。賞品となるマンション1戸につき、くじ7000枚の販売を期待しており、7000枚売れれば1戸35万ユーロ(約4100万円)の利益になるという。少なくとも6500枚を販売できなければ、そのマンションの販売は中止となり、くじの購入者に代金が返却される。くじの抽選は公証人の監督の下、数か月以内に行われる予定だ。

 スペインの不動産市場は、10年にわたる好況が続いた後、金利上昇や供給過剰、さらに世界的な信用収縮によるローン条件の厳格化などが原因で、前年から不況に陥っている。スペイン国立統計局(INE)が前週発表した統計によると、今年1-9月の住宅販売数は前年同期比28.2%減だった。

 売上げの落ち込みから不動産業界ではさまざまな新しいアイデアを生み出して、販売促進を目指している。

 別の不動産会社では今年10月、地中海に面したリゾート地コスタ・デル・ソル(Costa del Sol)の浜辺に近い寝室4部屋のタウンハウスの購入者に、マンション1戸をプレゼントする企画を打ち出した。

 5月には首都マドリード(Madrid)近郊に住む男性が、住宅ローンの支払いが難しくなったため、くじでマンションを売却しようとしたが、適切な許可が得られず取り止めとなった。(c)AFP