【12月3日 AFP】経営難に陥っている米自動車大手クライスラー(Chrysler)は2日、米議会に対し、再建計画を提出。世界的な金融危機や新車販売台数の大幅減少、世界的な景気減速の影響を乗り切るために、年内に70億ドル(約6500億円)のつなぎ融資が必要だと訴えた。

 クライスラーは、今年下半期の自動車部門の「著しい落ち込み」を受けて、今月31日までの手持ち資金は推定25億ドル(約2300億円)だとしている。クライスラーは、「つなぎ融資が至急実施されなければ、クライスラーの流動性は2009年の第1四半期に必要な経営資金水準を割り込んでしまう」としている。

 クライスラーは09年の営業利益を4億ドル(約370億円)、10年は大幅に増加して26億ドル(約2400億円)になると見積もっている。この見積もりは、米政府からの70億ドルの融資も考慮に入れられている。政府からの融資で、同社の手持ち資金は09年末までに75億ドル(約7000億円)、10年末までには98億ドル(約9100億円)にまで増加するとみられている。

 クライスラーは、09年には米市場で119万台、世界市場で172万台の新車販売を目指している。その上で、07年8月に独自動車大手ダイムラー(Daimler)から分離した後、コスト削減と生産計画の調整を行ってきたことを強調した。

 一方、2日朝に発表された、クライスラーの11月の新車販売台数は前年同月比47%減となった。

 クライスラーは、米自動車大手3社(ビッグスリー)の中で最も規模が小さく、残りのゼネラル・モーターズ(General MotorsGM)は最大180億ドル(約1兆6800億円)、フォード・モーター(Ford Motor)は最大90億ドル(約8400億円)の融資を求めている。(c)AFP