【10月11日 AFP】歴史的な暴落を記録した東京、ロンドン(London)、ニューヨーク(New York)など主要取引所のトレーダーやディーラーは10日、この1週間の取引を振り返り、市場の大混乱で参加者の心理が不合理な恐怖感で圧倒されたとの感想を漏らしている。

 ディーラーらはこの日、各取引所の指数が開始から次々に下落していく様子をぼう然と眺めるだけだった。

 日経平均株価(225種)は前週、50年の歴史の中で最悪となる前週末比24.33%の下落を記録した。米ダウ工業株30種平均(Dow Jones Industrial Average)は8営業日連続で下落、ロンドン証券取引所も1987年のブラックマンデー以来の下落となった。

 米政府による7000億ドル(約70兆円)規模の金融安定化法の成立、英政府の5000億ポンド(約86兆円)規模の緊急対策発表、あるいは主要7か国による協調利下げも、市場の逆流を止めることができなかった。恐怖感が投資家心理を支配している。

 今後の見通しとして、緊急の主要国首脳会合が開催され、新たな対策が打ち出されるのではとの観測が浮上している。

 一方、金融市場の現状を「パーフェクト・ストーム」と表現する英セブン・インベストメント・マネジメント(Seven Investment Management)のアナリスト、ジャスティン・アークハートスチュアート(Justin Urquhart-Stewart)氏は、前週までに各国政府が打ち出した政策について「あれ以外に打つ手はない」と語り、一連の対策が市場の危機と信用危機を和らげることを期待するしかないと語る。

 大多数のトレーダーやディーラーは市場の危機は信用収縮が回復するまで続くと話しているが、英CMCマーケット(CMC Markets)のトレーダー、マット・バックランド(Matt Buckland)氏は、各国中央銀行の取り組みににもかかわらず、信用収縮が回復する兆しは見えないと述べた。(c)AFP