ドイツ不動産金融大手ヒポ・レアルエステート(Hypo Real Estate、HRE)のベルリン支店(2008年1月16日撮影)。(c)AFP PHOTO JOHN MACDOUGALL
【10月5日 AFP】資金繰りが悪化していたドイツ不動産金融大手ヒポ・レアルエステート(Hypo Real Estate、HRE)が4日、前週末に合意された最大350億ユーロ(約5兆円)の同社救済策が撤回されたと発表し、衝撃が広がった。
欧州4か国首脳は前週、緊急会合で金融危機に対する協調的アプローチを約束したが、ドイツは5日、同国史上最大となるはずだった金融機関救済計画の失敗を突きつけられた。
HREでは、救済策にいったんは合意していた銀行グループが、流動性ラインの提供を拒んだため、計画は白紙となったと発表した。同社では現在、このグループの支援撤退が各部門に及ぼす結果を見極めている過程だという。
ドイツの複数の民間銀行と財務省幹部らは5日、会合を開き、週明けの市場の取引開始までに土壇場の救済策を絞り出そうとしている。
ペール・シュタインブリュック(Peer Steinbrueck)独財務相は同日、HREは数十億ユーロという「予想をはるかに超える流動性ギャップ」を抱えていたと述べ、政府はHRE救済策を見いだす決意を固めているが、HRE経営陣がこれだけの流動性危機についてもっと早期に明らかにしなかった点に「極めて愕然としている」と語った。
■政治的影響への懸念も
他方、ウォルフガング・ショイブレ(Wolfgang Schaeuble)独内相は雑誌のインタビューで現在の世界規模の金融不安について、1929年の米金融業界崩壊に端を発した世界大恐慌後のヒトラー台頭を引き合いに出し、政治的な影響も出かねないと警告した。
6日発売のニュース週刊誌「シュピーゲル(Der Spiegel)」に掲載されるインタビューでショイブレ氏は「われわれは1920年代(と30年代)の世界経済恐慌から、経済危機が社会全体に対するとてつもない脅威になり得ることを学んだ。あの不況がアドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)を招き、第二次世界大戦を招き、アウシュビッツ(Auschwitz)を招いたのだ」と発言した。
また今回の混乱については「後に歴史書で触れられるであろう重要な暴落。2001年9月11日に匹敵する」と米国同時多発テロと比較して述べた。「われわれは自分たちで、オランダのチューリップ投資に浮かれ、すべてを失った17世紀の投機家ほど愚かではないと思っていた。しかし、たいして変わらなかったということだ」(c)AFP/Deborah Cole



