【9月20日 AFP】ドイツ復興金融公庫(KfW)銀行グループが経営破たんした米証券大手リーマン・ブラザーズ(Lehman Brothers)に誤って「融資」した事件で、メディアに「ドイツで最も愚かな銀行員」と名付けられた幹部3人が停職処分となったことが明らかとなった。

 KfWが18日午後発表した声明によると、同行が理事会を開いて協議した結果、理事2人とリスク管理部長が、「事件が完全に解決するまでの間」停職処分となった。会議には、ペール・シュタインブリュック(Peer Steinbrueck)財務相も出席した。

 同行は追加措置が必要かどうか検討するため法律事務所と契約した。同行は、すでにサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅ローン)問題でドイツ最大の被害を受けた独IKB産業銀行の救済をめぐり厳しい非難を受けているが、業務手続き、特にリスク管理手続きについて徹底した監査が行われる。

 KfWは15日、リーマン・ブラザーズが経営破たんした後に誤って3億5000万ユーロ(約540億円)を送金した。独大衆紙ビルト(Bild)によると、15日からの「融資」残高は5億3600万ユーロ(約830億円)となり、シュタインブリュック財務相は会議後、「人生の中でこのようなことは経験したことがない」と語ったという。(c)AFP