【9月1日 AFP】インド西ベンガル(West Bengal)州コルカタ(Kolkata)郊外のシングル(Singur)で31日、印自動車大手タタ自動車(Tata Motors)が建設中の世界最安自動車「ナノ(Nano)」の生産工場周辺で大規模な抗議活動があり、建設工事が中止された。ナノの生産でタタに協力している日本人の専門家チームも帰国したという。

 建設されているのは、10月にも生産開始が予定されるタタの世界最低価格車「ナノ」用の新工場。地元州政府が取得した1000エーカー(約4キロ平方)の用地があてられている。

 しかし数千人に上る抗議活動の参加者らは、土地は地元の貧しい農家から強制的に接収されたものと主張。工場建設に必要なのは600エーカーだけであり、残りの400エーカーは農民に返すよう求めている。抗議は2か月前から続いている。

 前週28日にはデモ隊が工場の出口を封鎖、警察が作業員を護衛して帰宅させる騒ぎがあり、翌29日は工事が中断した。

 こうした事態にタタ・グループ(Tata Group)のラタン・タタ(Ratan Tata)会長は前週、シングルでの抗議が続くならば、工場の建設地を州外に移す可能性を警告している。(c)AFP