【8月25日 AFP】(写真追加)インド・西ベンガル(West Bengal)州の州都コルカタ(Kolkata)郊外のSingurで24日、印タタ自動車(Tata Motors)の世界最安値自動車「ナノ(Nano)」を生産予定の自動車工場が、約4万人の抗議活動参加者によって包囲された。デモ参加者側は、同工場の敷地が地元農家から強制的に接収されたものだと主張しているという。地元警察が明らかにした。

 地元警察はAFPに対し、タタの工場内やその周辺では警備が強化され、これまでに約4000人以上の警察官が配置されたことを明らかにした。また、抗議活動参加者側は、今後数日間で20万人が抗議活動に参加するとの見方を示している。

 抗議活動を主導した西ベンガル州の野党党首、ママタ・バナジー(Mamata Banerjee)氏は、対象となる用地のほとんどでは工場建設が行われておらず、工場用地を農民に返すよう求めている。

 タタ自動車を傘下にもつタタ・グループ(Tata Group)のラタン・タタ(Ratan Tata)会長は22日、同グループは工場建設など、既に3億5000万ドル(約385億円)の投資を行っているものの、抗議活動が続くようであれば、工場の建設を同州以外で行う可能性もあると警告した。

 一方、抗議活動参加者側は、補償金をまったく受け取っていない農民らから強制的に接収した400エーカーの土地を、州政府が返却してくれさえすれば、抗議活動はすぐに中止するとしている。(c)AFP/Deshakalyan Chowdhury