【10月3日 IDO Securities】昨日のアジア時間には、米上院が金融安定化法案の修正案を可決したものの、米株価指数先物が売られ、日経平均も下げ幅を拡大。「知ったら終い」の展開となった。LDN時間に入るとユーロ円売りが加速、ドル円も105円台前半に下落。ECBは予想通り政策金利を4.25%に据え置いたが、物価安定に対する上振れリスクが低下したとの見方を示し、利下げが検討されたことを明らかにするなど、トリシェ総裁会見のトーンはハト派的となり、年内利下げの可能性も浮上してきた。世界的な金融市場の混乱の中、これまで先行して売られてきたドルが上昇し、ユーロが売られる展開となっている。来週予定されている豪ドルやポンドなども利下げ見通しが強まっており、ドル円を除いてのドル高傾向が続くか?
 本日最も注目されるのは、米金融安定化法案の米下院における採決。採決は日本時間土曜日未明となる見通し。ウォーレンバフェットは、現在の状況を「心臓発作を起して床に倒れている状態」と例え、緊急状況を訴えているが、情勢は依然不透明。法案が可決されれば一時的にリスク志向が改善する可能性が高いが、実際の効果には疑問が残り、「株高、円安」は長続きしない可能性。一方、法案が再度否決された場合には、パニック的な株下落、円高となる可能性も残る。
 もう一つの注目の米9月非農業部門雇用者数は、市場コンセンサスは、前月比10.5万人減。失業率は、6.1%予想。日本時間21:30予定。
 日経平均に関しては、当面の底値確認は出来ない状況だが、長期サイクルからは、2003年の1番底に続く、2番底形成と見ることができ、パニック的な売りが一段落すれば、買い場を探す展開へ移行していく。マーケット大混乱の一服は15日の満月辺りを、一つの目処としたい。来週辺りからは、国慶節で休みだった中国勢もマーケットに戻ってくる。

(投資情報部 菊川弘之)
NPO法人日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)ラジオNIKKEI(加藤ゆり(ミス東大)の経済教室)をはじめ、時事通信等でアナリストの目、テクニカル分析情報を掲載。ブルームバーグTV、日経CNBCなど多数のメディアにも出演中。商品先物関係のアナリストとして著名だが、日経平均先物オプション取引や外国為替取引の分析でも定評がある。

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