【9月4日 IDO Securities】NY原油の110ドル割れもあり、昨日の東京午後からロンドン時間にかけてNY金も800ドル割れとなった。ハリケーンリスク後退を受けた原油続落以外に、大手ヘッジファンドOspraie(オスプレー)の旗艦ファンドが8月に27%もの大きな下落となったために、ファンドをクローズする旨を、投資家に対するレターで公表したことが材料視された。
 レター主であるDwight Andersonは、Tudor JonesやTiger Fundsといったヘッジファンドで名をあげ、貴金属市場では有名人物だが、多くのヘッジファンドのパフォーマンスが悪化している中、同じような動きが出てれば下値波乱要因になると言う見方も強い。  
 NY金の800ドル水準での「ファンドの玉整理」と「実需の買い」の攻防が続きそうだ。
 本日はECB、BOE、リクスバンクによるレートアナウンスメント。ECBについては、市場コンセンサスは政策金利据え置き予想。注目はレートアナウンスメント後のトリシェ総裁の会見。BOEについても政策金利据え置きを予想。BOEは政策変更がない際には、声明を発表しないので、予想通りなら市場への影響は限定的。リクスバンクについては、市場コンセンサスは25bp利上げ予想。
 中銀のレートアナウンスメント以外には、週末の米8月非農業部門雇用者数を控え、8月ADP全米雇用統計と新規失業保険申請件数が注目だ。

(投資情報部 菊川弘之)
NPO法人日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)ラジオNIKKEI(加藤ゆり(ミス東大)の経済教室)をはじめ、時事通信等でアナリストの目、テクニカル分析情報を掲載。ブルームバーグTV、日経CNBCなど多数のメディアにも出演中。商品先物関係のアナリストとして著名だが、日経平均先物オプション取引や外国為替取引の分析でも定評がある。

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