【9月2日 IDO Securities】2日東京時間午後9時30分頃、福田首相が辞任を表明。安倍前首相が辞任(2007/9/12)してから1年にも満たない間の辞任となったが、1年にも満たない期間に首相が2回代わるのは、93年8月に宮澤首相、94年4月に細川首相、同年6月に羽田首相が辞任した時以来の事態だ。ねじれ構造もあり、支持率の低迷が続く中、予想よりも早い辞任を受けて、解散・総選挙のタイミングも前倒しとなる可能性も意識されている。臨時国会においては、補正予算の審議、インド洋での給油活動の延長法案などが注目点だが、野党の反対が予想されること、新内閣発足直後は内閣支持率が高い傾向があること、などを考慮すると、政局の混乱があった場合、総選挙のタイミングが早まる可能性も想定しておきたい。
今後の日程としては、数日以内に総裁選挙管理委員会が開かれ、総裁選の日程が決定(8日告示、21日前後に開票という案も)。麻生太郎自民党幹事長が立候補の意思を表明しているが、自民党内は必ずしも一枚岩ではなく、経済成長重視、構造改革重視を主張するグループが対抗馬として、小泉元総理に近いとされる小池百合子元防衛大臣を候補に立てる可能性も指摘されている。
安倍首相辞任前1ヶ月間は「株安、円高、長期金利低下」の展開となっていたが、辞任を期に流れが転換した。今回は、安倍首相辞任前と同様に株安、長期金利低下。ドル円は小幅上昇だが、今回の上昇はドル高(ユーロ安)によるものであり、円はドル以外の主要通貨に対しては上昇しており、基本的に安倍首相辞任前と似ている構造。麻生幹事長は、2011年度のプライマリー・バランス黒字化に拘らないなど、景気刺激的な財政政策に向けて積極的な姿勢を示していることから、長期金利には上昇圧力がかかりやすいとも考えられる。政権後退となった場合、債券市場において麻生総理のケース以上に財政プレミアムが高まることも考えられる。
ただし、過去の総裁後退の動きを振り返ってみても、いずれのケースでもドル円の中長期的なトレンドを変えるには至っていない。日本の政治がメイントレンドを決めた事はないとも言える。
(投資情報部 菊川弘之)
NPO法人日本テクニカルアナリスト協会検定会員(CFTe)ラジオNIKKEI(加藤ゆり(ミス東大)の経済教室)をはじめ、時事通信等でアナリストの目、テクニカル分析情報を掲載。ブルームバーグTV、日経CNBCなど多数のメディアにも出演中。商品先物関係のアナリストとして著名だが、日経平均先物オプション取引や外国為替取引の分析でも定評がある。
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