【7月30日 AFP】国際通貨基金(International Monetary FundIMF)は29日、年次の対日審査報告書を発表し、米経済が問題を抱え、世界の株式市場が混乱による低迷を続ける中で、日本経済は「緩やかに減速する」との見通しを示した。

 報告書によると、米経済が減速し世界市場が混乱を続ける中で、日本経済は耐性を示しているという。日本の各銀行が、米国の低所得者向け住宅融資(サブプライムローン)の焦げ付き問題の影響をあまり受けていないことを一因に挙げているが、一方で貿易赤字と消費意欲の冷え込みが経済に影響していると指摘した。

 IMFの専門家は、日本経済はいわゆる「軟着陸」すると予想しているが、世界経済がさらに混乱すれば見通しは下方修正される可能性もあるとしている。

 また、日本の2008年のGDP成長率は年率換算で1.5%に留まり、2006年の2.4%、2007年の2.1%と比べて鈍化するとの見通しを示した。

 ダニエル・シトリン(Daniel Citrin)アジア太平洋局次長は電話による会見で、日本経済は08年第2四半期はモメンタムが減速するが、後半は堅調さを取り戻すとの見通しを示した。(c)AFP/Justin Cole