【7月28日 AFP】経営状況が年々厳しさを増している米国の大学で、経費節減の一策として、学生食堂からトレーが消えつつある。1年ほど前に始まった「トレーレス・ダイニング(トレー無しの食事)」と呼ばれるトレー廃止の試みは、環境意識が高まるとして学生にも概ね好評だ。

 例えば、ノースカロライナ大学(University of North Carolina)の場合、トレーの廃止で毎月8000リットルのトレー洗浄用水を節約できたという。

 また、米大学の学食は食べ放題のビュッフェスタイルが主流だが、余分に盛りつけてしまいがちだった学生らの食習慣も、トレー廃止で向上した。

 食品大手Sodexo広報のモニカ・ツィマー(Monica Zimmer)氏は、ある大学で行ったテストでは残飯を50%も減らすことができたと話す。

「これまで学生たちは1人前の1.4倍の量を皿に盛っていました。トレーがなくなれば、運ぶことができないので、無駄に盛りすぎるということがなくなりました」(ツィマー氏)

 学校に食事を提供するAramarkによると、25の高等教育機関で学期中に廃棄された残飯は、1年間で18万6000食分にも上るという。

 やはりトレーを廃止したメーン大学(University of Maine)では、学生1人あたりに提供する年間食事量が約25キロも減った。このため全体では食材14トン、水11万7000リットル、洗剤240キロ以上を削減でき、合計7万9000ドル(約850万円)の年間経費節減につながったという。

 Sodexoが関与する全米600校で、すでにトレーが廃止された。このなかには、マサチューセッツ大学(University of Massachusetts)、ジョージア工科大学研究所(Georgia Tech Research Institute)、ニューオーリンズ(New Orleans)のテュレーン大学(Tulane University)などのエリート校も含まれている。(c)AFP/Virginie Montet