【7月23日 AFP】値札で 200.00の代わりに199.99が多くみられるように、小売業者の中には消費者が価格の末尾が「9」の商品を好むという信念が根強いが、それを裏付ける結果がレストランのメニューに対する科学的な調査で示された。

 調査は、フランス西部ブルターニュ(Brittany)地方にある客席数22席の小さなレストランで行われた。そのレストランでは、普段から厳選したメニューを提供していた(ピザ5種類、肉料理4種類、魚料理3種類、サラダ4種類)。

 調査チームは、レストランで2番人気のピザに注目し、6週間にわたって観察を行うことにした。

 最初の2週間は、すべてのメニューを末尾が「0」の価格で提供した。

 次の2週間は、2番人気のピザに限って、0.01ユーロ(約1.7円)分だけ価格を下げ、7.99ユーロ(約1355円)の価格にした。その他のメニューは末尾が「0」の価格のままにしておいた。

 最後の2週間は、すべてのメニューを末尾が「9」の価格で提供した。

 調査の結果、第2段階に0.01ユーロ安くした2番人気のピザは、人気が15%も上昇した。

 7.99ユーロで提供されたピザは、末尾が「0」の価格のままにしておいた他のメニューを押しのけ、同店の1番人気を獲得した。ピザを注文した利用客のうち、49.5%もの人が、このピザを選んでいた。

 しかし、すべての料理の価格が同じだった第1・第3段階では、このピザの注文は、メニュー全体の注文のうちそれぞれ34.1%と35.9%にとどまった。

 ロリアン(Lorient)にある南ブルターニュ大学(University of Southern Brittany)のニコラ・ゲゲン(Nicolas Gueguen)氏とセリーヌ・ジャコブ(Celine Jacob)氏が発表したこの論文は、ホスピタリティ管理に関する国際学術誌の「International Journal of Hospitality Management」に掲載された。(c)AFP