【7月18日 AFP】国際通貨基金(International Monetary FundIMF)は17日、4月に発表した「世界経済見通し(World Economic OutlookWEO)」を改定し、2008年の世界経済の成長率を当初の3.7%から4.1%に上方修正した。一方で、景気が減速する中でのインフレ圧力が高まっていると指摘し、世界経済は依然として「厳しい状況」にあるとした。

 IMFは、09年の世界経済の成長率予測についても、当初の3.8%から3.9%に引き上げた。

 IMFのチーフ・エコノミストのサイモン・ジョンソン(Simon Johnson)氏は、依然として「世界的な景気後退に入る可能性」はあると指摘する。エコノミストの間では、世界経済の成長率が3.0%を切ると世界的な景気後退が起こるとの見方が強い。

 ジョンソン氏は、世界経済の見通しは4月と「大まかには」同じだとしているものの、「インフレ懸念によって、4月よりも状況が複雑になっている」と語った。

 IMFは、米国やユーロ圏、日本、中国などに関しても経済成長率のわずかながらの上方修正を行った。一方で、上方修正の幅が小さかったのは前年度の水準から景気が減速していることを示しているとし、インフレ圧力が背景にある可能性を指摘した。(c)AFP