【7月14日 IDO Securities】週末NY金は、ドル安や原油の史上最高値更新を囃し、急騰。米政府系住宅金融会社の連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)及び、連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の経営不安や国有化の噂でドルや株価が急落し、金に質への逃避買いが入った。6月の米輸入価格指数の上昇でインフレ懸念が広がったことや、イラン攻撃のため、イスラエル軍がイラク軍機を使い、イラクの米軍基地で訓練との新聞報道も支援材料となり、重要な抵抗線となっていた950ドルをストップロスを巻き込みながら、突破した。
現物市場では930ドル以上でスクラップ売却が増加したことが指摘されており、950ドルが上値抵抗となっていたが、価格上昇と景気減速で宝飾需要が減少しているものの、5月の南アの金生産は11.6%減少と供給面の不安定さは、残っており、原油との割安感が解消される流れに向かうのではないか?イラン・イスラエル問題などの地政学リスクが大きく後退する可能性は低く、ハリケーンシーズンを迎えている原油価格の下値も限定的だ。NY金は、今までの抵抗であった950ドルを下値支持として上値を試す流れに移行する。
また、WGCが10日に発表した統計によると、ワシントン協定に基づき、欧州中銀は、これまでに297トンの金を売却しており、金売却累計は年間の売却上限の500トンを大きく下回っている。ワシントン協定(欧州の15の中央銀行により合意された金の売却と貸し出しに関する協定)の金売却枠を順守するには、欧州中銀は08年9月26日までに203トンの金を売却する必要がある計算に。年度末までに中銀のまとまった売りが出ると金の上値を抑える要因になるが、現段階で大量売却を計画しているところはない。
ドル安、米株安、米長期金利上昇(債券下落)と、トリプル安となっているが、米長期金利上昇はGSE(Government Sponsored Enterprises:政府援助法人)救済のために債券発行が増加するとの懸念が背景にあると考えられるが、米長期金利上昇は、米経済全体にも悪影響を与えるため、この状態が続くようであれば、ドル売り(金買い)要因に。GSEの問題は、これまでも言われてきた問題であるが、今回は深刻さが増している感がある。両社の規模、米経済に与える影響の大きさを考慮すると、今後の両社を巡る動きは極めて重要だ。今週は米国の金利・金利見通しに影響を与える可能性がある材料も多く予定されている。注目されるのは、火曜日、水曜日に予定されているバーナンキFRB議長による年2回の金融政策に関する議会証言。今回の議会証言では、成長リスクとインフレリスク、どちらをとるのかが注目点。経済指標では、火曜の6月小売売上、6月PPI、7月NYFedインデックス、水曜の6月CPI、6月鉱工業生産、木曜の新規失業保険申請件数、7月フィラデルフィアFedインデックス、6月住宅着工などに注目したい。
(投資情報部 菊川弘之)
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