【6月29日 AFP】インド北東部西ベンガル(West Bengal)州の州都コルカタ(Kolkata)郊外のSingur地区で28日、警官隊が、印タタ自動車(Tata Motors)が行った工場用地の買収に反対する農民と衝突した。現地警察当局が同日発表した。

 現地警察幹部によると、用地前を占拠・封鎖していた農民ら200人がタタの役員らが入ることを阻み、さらに用地の外壁を壊そうとしたことで、警官隊がこれを阻止するため衝突、催涙ガスを発射したという。

 この衝突により、農民多数と警官6人が負傷した。

 タタは、2500ドル(約26万5000円)で販売するという超低価格車「ナノ(Nano)」の組立工場を用地に建設する予定。

 タタ関係者のコメントは現在まで得られていない。

 西ベンガルは、もともと左派共産党(CPI-M)の地盤だが、現地裁判所が、タタによる100億ルピー(約250億円)での400ヘクタールの用地買収を認める判断を下したことで騒動が持ち上がった。

 反対派農民らは現地政府が彼らの意に反して土地を奪ったと非難。受け取った土地代金は市場価格の半分に過ぎないと抗議している。(c)AFP