【6月6日 AFP】イタリアのローマ(Rome)で開かれていた国連(UN)の食糧農業機関(Food and Agriculture OrganizationFAO)が主催する食糧サミットは5日、議論がまとまらず予定時間を大幅にオーバーしながらも、世界各地の飢餓を2015年までに半減させるとともに、食糧危機に対しては「緊急」行動を取るなどが盛り込まれた宣言を採択し、閉幕した。

 11時間に及ぶ激論の末、FAOのジャック・ディウフ(Jacques Diouf)事務局長は約65億ドル(約6900億円)の支援が約束されたことを発表した。また、宣言では「貧困国などに大きな影響を与えている食糧高騰に対応するため、国際社会は緊急の協調行動を取る必要がある」とし、貧困国での食糧生産を増加させることなども合意された。

 宣言最終案が正式に合意される直前にも、イタリアのフランコ・フラティニ(Franco Frattini)外相が「期待はずれ」だと語り批判するなど、最終日にもかかわらず同サミットは最後の最後まで議論が行われた。特に、バイオ燃料に関しては対立が目立ち、輸出規制の問題などに対して異論が噴出した。

 さらに、アルゼンチン、ベネズエラ、キューバの南米3か国が繰り返し反発するなど、食糧問題に対する国際社会の不一致も露呈した形となった。キューバ代表団は、特に米国と「邪悪なバイオ燃料戦略」、「食糧消費国首脳」が合意を阻害しているとして強く非難した。(c)AFP/Michael Thurston