【4月13日 AFP】フランスの裁判所は9日、スイスの小村シャンパーニュ(Champagne)で生産されたワインやビスケットに「シャンパーニュ(シャンパン)」の名称使用を禁じる決定を下した。これを受け10日、人口わずか713人のこの村では「フランスの帝国主義」に対する強い非難の声が上がった。

 この問題は、欧州連合(EU)とスイスがスイス産ワインに「シャンパーニュ」の名称を使用しないことで合意したことにさかのぼる。2004年以来、この村で作られたワインに村の名前を使用することが禁じられている。スイス政府はEU圏内での運航権と引き替えに、スイス産ワインに「シャンパーニュ」の名称使用禁止を求めるフランス・シャンパーニュ地方のワイン農家の要求を受け入れた。

 さらにパリ(Paris)の裁判所は9日、地元パン屋が製造したビスケットに「シャンパーニュ産」との表示を禁じる判決を下した。

 これを受けてパン屋のオーナーで村長のマルク・アンドレ・コルヌ(Marc-Andre Cornu)さんは「これはスイスの小村に対する、(ジョージ・W・)ブッシュ(米大統領、George W, Bush)のやり方に感化されたフランスの帝国主義の表れだ」と怒りをあらわにした。「ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領には、名字を捨てる覚悟があるのか。フランスの(裁判所の)決定は、われわれの存在に対する侮辱だ。到底受け入れ難い」と語った。弁護士によるとパン屋は上訴する意向。(c)AFP