【1月23日 AFP】(一部更新)米アップル(Apple)は22日、2007年10-12月期決算を発表した。純利益は、四半期決算としては過去最高の15億8000万ドル(約1685億円)だった。マックPCや新型携帯電話機「iPhone」、携帯音楽プレーヤー「iPod」などの好調な販売を反映した。

 アップルのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)最高経営責任者(CEO)は「アップル史上、最高の利益を報告できることに興奮している」と語った。

 売上高は96億ドル(約1兆240億円)で、うち45%を国外販売が占めた。1株利益は前年同期比5割増の1.76ドル(約187円)となった。

 出荷台数ではマッキントッシュ(Macintosh)PCが前年同期比44%増の232万台、「iPod」が同17%増の2200万台、「iPhone」は232万台だった。

■今期見通しは一転慎重、株価は下落

 一方、アップルのピーター・オッペンハイマー(Peter Oppenheimer)最高財務責任者(CFO)が同日発表した2008年1-3月期の業績見通しは、1株利益0.94ドル(約100円)、売上高68億ドル(約7260億円)と市場予測を下回った。そのため、この日の時間外取引でのアップルの株価は10%以上下落している。

 調査会社ガートナー(Gartner)のテクノロジーアナリスト、マイク・マクガイア(Mike McGuire)氏は、業績見通しからはアップルの保守的な姿勢が読み取れるという。

「元来、クリスマス商戦後のこの時期は電化製品の売れ行きが落ちるもの。さらに米経済の行方は不透明感を増しており、アップルの控えめな業績見通しは当然の結果だ。しかし、市場はもっと強気な予測を望んでいたのだろう」(マクガイア氏)

 アップルは新型携帯電話機「iPhone」、携帯音楽プレーヤー「iPod」が立て続けにヒットし、これらのヒット商品の『後光効果』を受けてマッキントッシュ(Macintosh)PCも売上げを伸ばすなどこれまでの業績が好調だっただけに、市場の失望感も大きく、それが株価に反映されたとマクガイア氏はみる。

 投資家は、米市場における「iPod」の売上げが頭打ちとなった事実だけに注目しがちだが、実際にアップルの売上げの多数を占めているのは上位機種「iPod Touch」などの高額商品だ。

 ガートナーのアナリスト、バン・ベーカー(Van Baker)氏は、「売上げが好調だからといって、さらなる売上げ増が見込めないことはない」として、「iPod市場は飽和状態に達した」との見方に反対する。

 2月には、米インターネット検索大手グーグル(Google)が携帯電話向けの包括的オープンプラットフォーム「アンドロイド(Android)」で、これまで事実上、米マイクロソフト(Microsoft)やアップルが独占してきた携帯インターネット市場に参戦し、アップルは新たな挑戦に直面する。

 しかしベーカー氏は「アップルの企業としての強さと豊富な資金力をもってすれば、今後も勢いが衰えることはないだろう」と、同社の展望に楽観的な見方を示した。(c)AFP/Glenn Chapman