【1月4日 AFP】2日にニューヨーク商業取引所(NYMEX)原油先物相場で更新した1バレル=100ドルの史上最高値の仕掛け人が、たった1人のトレーダーだったことがわかった。

 米英各紙の報道によると、このトレーダーは仲介業者ABSを経営する米国人リチャード・アレンズ(Richard Arens)氏。アレンズ氏は2日のNYMEXで、最低単位(1000バレル)を1バレル=100ドルで買いを入れた。取引成立後に100ドルを若干下回る価格で売り、最終的に600ドルの損失となった。

 100ドルという記録的取引値について、英商品先物ブローカー大手サクデン(Sucden)のアナリストらは3日、「地元で有名になりたかった1人のトレーダーが仕掛けたもの」とコメントした。

 別のブローカーのアナリストも、「1バレル=100ドルで原油を取引する最初のトレーダーになりたかっただけだろう」とみている。
 
 記録的取引価格に市場は驚きに包まれたものの、現在の需要増と供給減を考えれば、1バレル=100ドルは回避できないとの見方が大勢を占めていたのも事実だ。

 原油価格はその後、一時的に下がったものの、3日に再び100ドルを超える値をつけた。

 4日には利食い売りに押されて三度高騰。軽質スイート原油(2月分)がアジア市場で99.23ドルで取引された。(c)AFP